家族を守ろう!「なでしこ日本」

男女共同参画社会基本法の制定から10年。私たち女性は本当の幸せを感じることができたでしょうか?未来を担う子供たちは心身ともに健やかに育っているでしょうか?幸せな家族の姿を取り戻すために、男女共同参画行政がもたらしたさまざまな問題に女性の視点で迫ります。

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ブログ終了のお知らせ

ブログを始めたのは、昨年8月。当時、内閣府で策定中だった第3次男女共同参画基本計画の問題をひとりでも多くの方にお伝えし、その背後にあるフェミニズム思想家族の崩壊を招くことを知っていただきたいとの思いからでした。

内閣府へのパブリックコメント提出を呼び掛けた際には、たくさんの方がご協力くださったにもかかわらず、担当大臣が多数の反対意見にも耳を貸さない強硬姿勢を貫いたため、女性の継続就労推進夫婦別姓制個人単位の税と社会保障制度など、従来の家族のあり方を崩す政策がふんだんに盛り込まれたまま、向こう5年間の施策を定めた基本計画が決定しました。

しかし、それから一年、わが国は未曾有の大災害に見舞われ、私たちは「本当に大切なものは何か」という問いを突きつけられました。男女共同参画の大宣伝に踊らされていた人々の中からも、家族地域の大切さを痛感したという声が聞かれるようになり、「今年の漢字」には「絆」が選ばれました。震災直後から、ちょっとした結婚ブームも起こっています。

大自然の脅威を前に「家族解体=個人尊重」といった浅はかなイデオロギーは急速に力を失ったかのようです。

政府は基本計画に沿って配偶者控除の廃止主婦の年金保険料負担などを検討してきましたが、反対の声が強く、来年度の改正は見送られました。短時間労働者(パート主婦など)への厚生年金適用拡大に向けた法案提出の方針が明らかになっていますが、保険料を負担する雇用側と、雇用者による労働時間制限で収入が減る可能性があるパート主婦の双方から反対があり、成否は不透明です。保育所の拡大は着実に進められていますが、箱モノが増えても保育士の数が絶対的に不足していて、待機児童は解消されないばかりか、保育環境はかえって悪化している現状が伝えられています。

結局、5ヶ年計画は、計画実現への確かな道筋がほとんど見えないまま、初年度を終えようとしているのです。

また、以前は「預かり保育の拡充」一辺倒だった子育て支援策が、「ワーク・ライフ・バランス」へと、わずかながらも家族の絆を重視する方向に舵を切っていることも事実です。「幼保一体化」で議論を呼んでいる「子ども子育て新システム」も、働く女性だけでなく、専業主婦も含めた包括的な子育て支援システムであることが強調されています。

2004年、世界平和研究所中垣陽子主任研究員(当時経済企画庁から出向)は、「全ての子育て家庭に向けた経済的支援の拡充」という論文の中で、「家庭の形や働き方にニュートラルな、育児そのものに対する経済的支援こそが、最も効果的な支援策たりうる」と、預かり保育という現物支給から手当の支給へのシフトを提案しています。保育所利用者の母親の平均月収は15万円程度であるのに対し、保育にかかるコストは全年齢平均でも月約10万円、0歳児では月約30万円と、費用対効果が非常に低いだけでなく、全体の約3割というごく一部の入所児にそのような高額な公費が投入されるのは不公平だと、現行の保育制度の矛盾を鋭く指摘しているのです。

国の子育て支援策が「ライフスタイルに中立に」と銘打ちながら、いかに専業主婦を排し、仕事と育児の両立支援策に偏ってきたのかは当ブログでもお伝えしてきたとおりであり、中垣陽子氏の提案は、私どもの主張と全く一致しています。そして、その中垣氏が、現在、内閣府男女共同参画局調査課長に就任なさっていることに、私どもは大きな期待を寄せております。


さて、これまで、男女共同参画にまつわる様々な問題を取り上げて参りましたが、第3次基本計画の問題点を明らかにし、皆様にお伝えするという所期の目的は一応達成されたものと考え、以上をもちましてブログを終了させていただくことといたします。

ご来訪下さった皆様、情報の拡散にご協力下さった皆様、また、温かいコメントを寄せて下さった皆様方、心より御礼申し上げます。

なお、家族を守ろう!「なでしこ日本」は、男女共同参画社会基本法の廃棄を目指し、これまで通り活動を続けて参りますので、今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。


男女共同参画行政の問題点を指摘してきた記事をまとめておきます。
 本日の記事の参考にもなりますので、是非ご一読ください。

・男女共同参画社会が目指す〝M字カーブの解消〟とは
・男女共同参画で少子化は止まらない
・それでも「女性の社会進出」にこだわるのは?
・異議あり!「母親の就業で税収アップ」
・保育行政を考える
・配偶者控除の行方
・主婦年金見直しへ
・どうなる?専業主婦の年金保険料
・国連勧告は錦の御旗?

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私たちは、「美しい日本をつくる会」の男女共同参画社会基本法の廃棄を求める署名活動に賛同し、ともに行動してまいります。基本法の問題点について詳しくご覧になりたい方、署名にご協力いただける方はこちらへどうぞ。
http://www.utsukushii-nippon.org/(美しい日本をつくる会ホームページ)


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配偶者控除見直し再び見送りへ

厚生労働省先月26日にまとめた来年度税制改正に向けての要望の中で、第3次男女共同参画基本計画に盛り込まれている配偶者控除の縮小・廃止を求めていました。しかし、1日に行われた政府税制調査会は、昨年に引き続き、税制改正大綱に盛り込むことを見送る方針を固めたようです。

政府税調 配偶者控除見直し、先送りの見通し
(産経新聞 2011.11.3 00:31)
 
 平成24年度税制改正の焦点である専業主婦を優遇した配偶者控除の縮小・廃止について、政府税制調査会が来年度の実施を先送りする公算が大きくなった。年度改正と併せて消費税増税などの大型案件をまとめる必要があり、与野党で意見が分かれる同控除の見直しに結論を出すのは日程的に困難との見方が強まった。
 配偶者控除の縮小・廃止は「家族制度の破壊につながる」と自民党などが反対しており、民主党政権下での22、23年度の税制改正でも実施が見送られた。23年度税制改正法案に盛り込んだ成年扶養控除の縮小なども法案の審議中断で実現しておらず、配偶者控除の見直しによる一層の負担増について「短期間で結論を出すのは厳しい」(財務省関係者)状況だ。
 政府税調は年度改正を12月9日をめどに決着させた上で、年内いっぱいをかけて消費税増税など税制抜本改革の議論を行う方針。配偶者控除は抜本改革の一環として、25年度以降の課題に位置づけられそうだ。
 配偶者控除は妻の年収103万円以下の場合、所得税38万円住民税33万円世帯主課税所得から差し引く制度。「女性の社会進出を妨げている」との批判から厚生労働省が縮小・廃止を要望していた。


昨年も、課税所得1000万円超の世帯を配偶者控除の対象外とする所得制限案が見送られ、23年度税制改正大綱には、24年度以降抜本的に見直す方針が示されていました。今回の見送りは、それがさらに先延ばしされた格好です。

そもそも配偶者控除を声高に批判してきたのは、一部のフェミニストに過ぎません。家庭や地域を支える専業主婦やパート主婦の存在は依然として大きく、社会に果たすその役割は暗黙のうちに認められています。国是のように進められてきた「女性の社会進出」も実は家庭や子育てにまつわるさまざまな問題と表裏一体であり、当然ながら、すべての女性が望むものとは言えません。そのような実態に即した認識が政治家の間にも広がり始めているようです。


<参考資料>

「平成24年度厚生労働省税制改正要望」


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どうなる?専業主婦の年金保険料

専業主婦の年金保険料については、厚生労働省が「夫の厚生年金保険料の半額を負担したとみなす」という案で検討に入り、ひとまず、実質的な保険料負担は回避されそうです。しかし、受給は夫婦別々となり、第3次男女共同参画基本計画に示された「社会保障制度を世帯単位から個人単位へ」という改革の方向性は変わりません。

厚生年金、専業主婦が半分受給…支払者とみなす
(読売新聞 9月29日12時5分配信)
 
厚生労働省は29日、サラリーマンや公務員世帯の専業主婦が、夫が支払う厚生年金などの保険料の半分を払ったとみなし、夫が受け取る厚生年金などの受給額の半分を妻の基礎年金に上乗せする仕組みに改める方向で検討に入った。

 同省は改革案を29日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会に示し、2012年の通常国会に関連法案を提出する考えだ。

 サラリーマンや公務員世帯の専業主婦は、保険料を支払わないのに基礎年金を受け取ることができる。この第3号被保険者制度には「専業主婦優遇だ」という批判がある。3号の保険料は年金加入者全体で負担しており、3号の夫の保険料だけでなく、共働きや単身者の分も主婦への年金の原資になっているからだ。政府・与党が6月に決めた社会保障・税一体改革成案でも見直しを求めている。

 厚労省は見直しに向け、夫の保険料を増額したり、妻に保険料を求めたりする案や、妻の基礎年金を減額する案を検討していた。しかし、理解を得るのは困難だとみてこうした案は見送る一方、保険料支払いと年金受給とを対応させる形をとるため、今回の改革を実施することにした。
 

年金は現役世代が支払う保険料によって前世代を支える仕組みです。専業主婦は、保育園などの公的支援を受けずに、自力で次世代を育てていることを忘れてはならないと思います。「改革の足踏みだ」とフェミニストからの反発も予想されますので、今後の成り行きを注視していきましょう。



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主婦年金見直しへ

現在、労働時間が週30時間以下のパート主婦は厚生年金には加入できませんが、サラリーマンの妻で年収130万円以下であれば、国民年金第3号被保険者として年金保険料の支払いが免除されています。これまで、夫の所得税の配偶者控除と同様、家事・育児の片手間にパート就労で家計を助けたいという大多数の主婦のニーズを満たしてきた制度ですが、政府はその見直しに着手しました。

これも、第3次男女共同参画基本計画に盛り込まれた“家族解体策”のひとつです。

短時間労働者への厚生年金適用拡大等、検討
(2011年9月2日 読売新聞)

 厚生労働省は1日午前、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)特別部会の初会合を開き、「社会保障・税一体改革」で決定したパートなど短時間労働者への厚生年金と健康保険の適用拡大について、具体的な基準の検討に入った。

 専業主婦らが国民年金保険料の支払いを免除される基準である「年収130万円未満」の引き下げについても、「主な論点」として正式に提示された。

 厚労省は労働時間についても、現行の(厚生年金)加入要件である「週30時間(正社員の4分の3)以上」を短縮する方針だ。一体改革で例示された「週20時間以上」への緩和を軸に検討する見通しで、この場合、加入者は約400万人増えると推計されている。

 厚生年金と健康保険の加入者が増加すると、企業側の保険料負担が増えるため、多くのパートなどを抱える流通・外食産業、中小企業などの強い反発が予想される。

 免除基準の見直しは専業主婦らの負担増にもつながるため、今後の調整は難航が予想される。


保険料免除の基準は数十万円の引き下げも視野に入れて検討されているようです。国民年金保険料は一律15,020円なので、免除の対象から外れると、所得が低いほど負担は大きくなります。また、厚生年金の加入要件が週20時間労働に引き下げられると企業の保険料負担が増えるため、雇用者側がパート職の募集条件を週20時間以内に抑えることも考えられ、結果的にパート主婦の収入が減る可能性があります。やむを得ず、家庭を犠牲にしてフルタイムで働く主婦も出てくることでしょう。

子ども手当が大幅に縮小される一方、所得税の扶養控除は廃止されたままです。主婦のパート収入のほとんどが子どもの教育費等に充てられている現実を考えると、主婦年金の見直しは子育て家庭の更なる締め付けと言わざるを得ません。

野田新内閣で厚生労働大臣に任じられた小宮山洋子氏はジャーナリスト時代からフェミニズム運動の先頭に立ってきた女性です。年金や保育制度は家族解体の方向へ一気に押し進められるのではないかと懸念されます。

筆者による加筆


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民主党の人権政策と男女共同参画

震災と原発事故からの復旧・復興も思うに任せず、政治の混乱が続く一方で、政府・与党は人権保護をめぐる2つの課題に着々と取り組んできました。ひとつは国内の人権救済機関設置を目指す「人権救済法案」の策定であり、もうひとつは国際機関への「個人通報制度」の導入です。いずれもわが国の法律では有罪になり得ないケースを人権問題化するための新たな制度と言えます。

8月に入り、この2つの人権政策について相次いで検討結果が発表されました。

委員は国会同意人事 人権救済機関の基本方針発表 権限強化の余地も
(産経新聞8月2日10時10分配信)

江田五月法相は2日の記者会見で、人権侵害の被害者救済を図る新たな人権機関設置の基本方針を法務省政務三役名で発表した。人権侵害の有無を調査する「人権委員会」は法務省の外局とし、委員長と委員は国会同意人事にする。民主党政権は基本方針を軸に年内の人権救済法案作成を目指す。

民主、個人通報制度の導入を先送りへ
(産経新聞 8月18日7時56分配信)

民主党は17日までに、個人が人権侵害救済国際機関に申し立てることができる「個人通報制度」の導入を先送りする方針を固めた。民主党は平成21年の衆院選マニフェスト(政権公約)で制度実現を掲げたが、司法体系を形骸化させかねないリベラル色の強い制度だけに党内の保守派に慎重論が根強かった。


人権救済といえばどんな批判も免れる正論に聞こえるかもしれませんが、これらが過去何度も議論の俎上(そじょう)に乗りながら実現に至っていないのはなぜでしょうか。

「人権」とは非常に定義が曖昧な言葉であり、何を「人権侵害」とするのかは被害者の受け取り方次第です。「そんなつもりで言ったわけではないのに相手の心を傷つけてしまった」といった誰にでもある行き違いが人権委員会にかけられることになるかもしれません。国家や社会の保安・維持のために個人の権利が制限されることもありますが、それが人権問題化されることによって、外国や国際機関の介入や圧力を許すことにもなりかねません。人権救済を制度化してしまうと恣意的な運用や悪用は避けられず、社会的な混乱をも招きかねないのです。

ここで注目すべきは、この2つの政策がどちらも第3次男女共同参画基本計画に盛り込まれていることです。

「人権救済機関」による女性の権利の肥大化

第3次男女共同参画基本計画に見られる「差別全般を禁止する人権擁護のための法律の成立に努める」、「国内人権救済機関を設置する場合には、男女共同参画会議と当該機関との密接な連携を図る。」との記述。これには、人権救済法の制定によって新たに人権救済機関(=人権委員会)を設置し、現行法では違法性が認められない女性の待遇やセクハラ事象を掘り起こすねらいがあると思われます。セクハラの定義はあくまで「被害者が主観的な苦痛・不快感を持つこと」であり、周囲の人間が意図的に加害者に仕立て上げられる危険性は否めません。

「個人通報制度」による国連への告げ口

個人通報制度は、女子差別撤廃条約選択議定書に定められており、第3次男女共同参画基本計画には「女子差別撤廃条約の選択議定書については、早期締結について真剣に検討を進める。」と明記されています。わが国は同条約を締結していますが、選択議定書については締結に至っていません。これを締結すれば、個別のケースについて国の司法判断に反して個人が国連女子差別撤廃委員会に直接提訴できるようになり、司法権の独立を危うくすると考えられてきたからです。通報を受けた同委員会は条約違反の有無を判断し、締結国政府に改善を求める勧告見解を出します。それらは国内で法的拘束力を持つものではありませんが、政府としてどのような措置を取ったのか、同委員会への報告が求められます。

そもそも、男女共同参画行政はすべて国連女子差別撤廃委員会勧告に従う形で進められてきた経緯があります。しかも、その勧告は「カウンターレポート」とよばれる国内のフェミニスト団体からの状況報告に基づいたもので、これまで夫婦別氏制度の導入や婚外子差別撤廃なども求められてきました。個人通報制度とは、このような国連への告げ口システムを個人レベルにまで広げたものと考えることもできます。導入されれば、フェミニストの政治介入の間口をさらに広げることになるでしょう。


人権救済法案は、社民党、共産党はもとより、自民党、公明党の中にも賛成者がおり、震災復興の陰で十分に議論されないまま国会を通過してしまう恐れがあります。個人通報制度の導入は一旦先送りとなりましたが、民主党の政権公約です。国連女子差別撤廃委員会にカウンターレポートを提出してきた「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」などの団体も外務省や民主党に対し盛んに働きかけを行っています。首相が交代し新内閣が軌道に乗れば再び導入に向けて動き出すでしょう。引き続き成り行きを注視していきたいと思います。


【参考】
「髪切った?」→セクハラ認定!気をつけよう、セクハラ事例集
【参考記事】

第3次男女共同参画基本計画に「人権擁護法の成立」も
国連勧告は錦の御旗?

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“やらせ公聴会”男女共同参画局も?

原子力・安全保安院や資源エネルギー庁が電力会社に公聴会での“やらせ発言”を指示していたことが明らかになりました。行政府の中でこのような非常識がまかり通っていたことに衝撃を受けた方も多いことでしょう。原発行政は、“初めに推進ありき”の議論が進められてきたという点で、男女共同参画と同じ問題を抱えていると言えます。

推進団体頼みの公聴会

このニュースを聞いて、すぐに思い浮かんだのは、第2次男女共同参画基本計画策定に関する公聴会パブリックコメント(意見募集)でした。公聴会の募集要項が推進団体だけに配布され、締め切り間近になり反対者が抗議するまで告知が行われなかったことや、パブリックコメントの締め切り前には、ある大学教授から「今のところ反対意見が多いので、賛成意見の提出を!」といった呼び掛けメールが配信されたことなどです。当局から特定の団体や個人に何らかのリークが行われていたことは明らかでした。

政府の審議会主催で行われたある地方公聴会では、発言したい参加者が会場の客席で挙手をし、壇上の政府担当者がその中から発言者を選ぶというやり方で意見聴取が行われたところ、賛成意見の発言者は地元の推進団体の代表ばかりでした。事前に進行役の担当者と各団体の間で打ち合わせがあったとしか考えられません。会場は推進団体の動員で埋め尽くされ、数少ない反対意見に対しては、集団で野次やブ―イングが飛ぶなど、会場は異様な雰囲気に包まれました。

しかし、このような当局と反対者たちの攻防が始まったのは、すでに男女共同参画社会基本法が施行され、全国の地方自治体に男女共同参画条例制定の動きが広まった頃からです。それまでの数年間は全く推進派の間だけで議論が進められ、基本法制定に向けての審議会等は、まるでフェミニスト作戦会議だったと言われています。もちろん、反対意見の持ち主が委員に選ばれることはありませんでした。パブリックコメントや公聴会も、当初は賛成世論アリバイ作りでしかなく、審議会の議事録をみると、各委員が自分の所属団体でパブリックコメントの提出を呼び掛けるよう要請されていたことが分かります。

仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会第2回議事録(平成13年2月27日)より

坂東眞理子局長 事務局の方としましては、今日はこの意見募集について会長の方からもお話がありましたが、例えば福武委員のところのネットワークですとか、河野委員のところのネットワークですとか、あるいはまた教育研究所のところですとか、いろいろな手段でまた広報をしていただければと思います。田尻委員のところも育児連の方の意見などにもちょっと声をかけていただけるとありがたいと思います。


審議会行政の危うさ

「公聴会」「意見募集」といえば、いかにも民主的な進め方にきこえますが、告知や発言者の人選が公正に行わなければ、政府審議会の意に沿うごく一部の意見だけを取り入れることになりかねません。また、当局のホームページでおこなわれる告知だけでは、一般国民は参加すべくもありません。

そもそも、パブリックコメントとは、意見の数の多少にかかわらず参考になるものを政策に取り入れるためのものであり、当局の恣意的な運用を避けることは難しいのです。実際、岡崎トミ子元男女共同参画担当大臣は、パブリックコメントで夫婦別姓反対の意見が多数寄せられたことについて国会で質問され、「反対の意見があっても進める」と言ってのけました。パブリックコメントの結果を検討する審議会においても、ほとんどの反対意見は全く無視されています。

審議会とは、推進を担当する当局の一存で人選が行われることからも公平性の確保が難しく、問題点の客観的な検証は期待できないシステムと言えます。例えば、「子育て中の女性の就業率を高める」といった男女共同参画社会の大方針についても、子供が母親から引き離されることの影響は全く論じられた形跡がありません。

異論を排し一方的に進められる議論には必ず大きな欠陥が生じます。わが国の将来にかかわる重要な問題がこのような形で封殺されてきたことに多くの方に気付いていただくことが、私たちの運動の第一歩だと思います。


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中学校教科書の男女共同参画社会

現在、各地で、来年度から使用される中学校教科書採択が行われています。わが国では、国定教科書はなく、民間の教科書出版が自由に参入して教科書を出版することができます。4年ごとの採択に向けて出版された教科書は、文科省検定を経て、各自治体選定委員会等で調査・検討が行われ、それをもとに教育委員会がその地区で使う教科書を決定します。記述は会社によってさまざまで、その地区でどの教科書が採択されるかによって、子ども達が受ける教育の内容は大きく変わってくるのです。

「男女共同参画社会」は中学校でどのように教えられるのでしょうか。採択に際し保護者や一般国民向けに開催された教科書展示会で、公民(政治、経済、社会の分野)の教科書をのぞいてみました。

公民教科書は7社が出版していますが、どの教科書でも、「男女共同参画社会」「平等権の保障」と位置付けられ、社会のさまざまな場面に男女差があることを一方的に問題視する記述が目立ちます。家事・育児の分担が進まず女性の就労率が低いことについても、家族が幸せな生活を営むための大切な役割がまるで女性の生き方にとって重大な障害であるかのように教えられるのです。

中には、婚外子への相続が嫡出子の半分であることについて「家族の形が多様化しているこんにちでは、実情に応じて考えて行く必要がある」と述べる教科書(清水書院)まであり、社会の秩序家族の枠組みよりも個人の権利物質的な平等が大切だと教えることになりかねません。これも、第3次男女共同参画基本計画がめざす「夫婦や家族の在り方の多様化や女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえた民法改正」の一環です。

一方で、唯一、男女共同参画社会が招いた問題にもきちんと目を向けているのは。育鵬社『新しいみんなの公民』です。同書は「考えよう~男女の平等と家族の価値」と題して、2ページにわたるコラムを組み、これまで進められてきた政策の問題点をとてもわかりやすく説明していますので、その全文を紹介したいと思います。

男女共同参画社会の課題

 1999(平成11)6月に制定・施行された「男女共同参画社会基本法」は、家庭や地域、職場、学校などあらゆる分野で、男女が平等な社会の構成員として能力を発揮し、活力ある社会をつくろうとするものです。
 日本では男女の地位に関してはまだまだ平等と思われていない部分があります。この主要な原因のひとつが、社会的・文化的に形成されてきた性別(ジェンダー)に基づいた役割分担意識であるといわれています。
 急激に進む少子高齢社会に対応するためにも、女性の労働力が注目されてきています。そのため、男女共同参画の必要性は強く意識されてきており、多くの自治体では、これを進めるための条例制度を整備しています。
 一方で、これらの条例に対して「性差と男女差別を混同し、男らしさ・女らしさや日本の伝統的な価値観まで否定している」「女性の社会進出を強調するあまり、とにかく働くべきだという考えをおしつけ、子育てなどで社会に貢献している専業主婦の役割を軽視している」という反対の声も上がっています。
 男性あるいは女性というだけで不合理な差別を受けたり偏見をもたれたりすることはあってはなりません。しかし同時に、社会の風習や古くから伝わる伝統をすべて否定したり、性別を尊重しようとする個人の生き方を否定したりしてはならないでしょう。
 個性尊重がさけばれる中、男女のちがいというものを否定的にとらえることなく、男らしさ・女らしさを大切にしながらそれぞれの個性をみがき上げていくことが重要です。

家族の価値

 近年、家庭内暴力や少年犯罪の多発などが深刻な社会問題となっています。しかし家族は、社会的存在としての人間が協力して生きる上で、最も身近で基本的なコミュニティーです。
 家族が単に個人の集まりでしかないと考えられたり、個人が家族より優先されるべきだとみなされるようになると、家族の一体感は失われていくおそれがあります。個人の多様な生き方を尊重する現代の社会は、そのような可能性をもっています。現在の日本では、家族の形や役割には変化がみられますが、家族を維持していくことの重要性は、現代の日本人にも強く意識されています。

家族の協力

 家族生活には、生計費の獲得や育児・家事が不可欠です。家族はこれらを協力して行わなければなりません。いわゆる性別役割分業は、「男は仕事に出て、女は家庭を守る」という役割分担のしかたをさします。女性の社会進出が進むにつれ、そのような役割分担は批判されるようになりました。
 しかし、育児・家事に専念する専業主婦という形も、家族の協力のひとつのあり方です。一方で職業をもつ女性には、家族が協力して家事の負担がかかりすぎないようにすることも大切でしょう。どんな場合でも、家族の間の相互の理解協力が最も大切です。


男女の違いが歴然と存在する以上、互いの立場や役割を尊重し助け合うことが生活の満足度を高め、真の平等感につながるのは明らかです。男女が同じ生き方をすることが「男女平等」だと学校で教えれば、現実の社会で無用な摩擦を生むだけではないでしょうか。


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男女共同参画白書が推奨する「クオータ制」とは

日本は121位…国会議員の女性の割合
(読売新聞 6月21日10時54分配信)

 政府は21日午前の閣議で、2011年版男女共同参画白書を決定した。国会議員(二院制の場合は下院)に占める女性の割合が日本は186か国121位で、政治分野での女性参画が遅れていると指摘している。
 日本の女性衆院議員の割合は、00年は7・3%、05年は9%だったが、09年の衆院選の当選者では11・3%と増加した。しかし、白書によると、スウェーデン(45%)、ノルウェー(39・6%)、ドイツ(32・8%)などの割合ははるかに高く、日本と深い関係にある中国(21・3%)、米国(16・8%)、韓国(14・7%)も日本を上回っている。こうした国は、性別を基準に一定の人数や比率を割り当てる「クオータ制」を採っているところが多い。


政府は「2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%になるよう期待し、各分野の取組を推進する」という目標を掲げ、女性の意識啓発と能力開発から仕事と家庭の両立支援、男性の家事育児の推奨まで、さまざまな取り組みや地方自治体や経済界への働きかけを行ってきました。しかし、国会議員女性比率衆議院11.3%参議院18.2%企業の管理職11.0%国や都道府県の管理職5%台にとどまっています。白書は、このような現状では目標達成は困難とし、今年度版の特集編として諸外国のクオータ制導入状況を大きく取り上げています。

「クオータ制」とは「割り当て制」のことで、国会議員などの数に性別や人種などによる格差がある場合に、特別枠を設けて数の均衡を図る強制的な格差是正策です。男女共同参画社会が掲げるポジティブアクション(積極的改善措置)の中でも“最後の手段”と言ってよいでしょう。最近では、九州大学が数学科の入学定員に女性枠を導入しましたが、受験者や保護者等から逆差別との批判を浴び、憲法違反の疑いも指摘されたことから新制度を撤回するという一幕もありました。

男女共同参画の成果をなかなか上げられない政府の焦りが感じられますが、その最大の原因は、女性差別でも環境不備でもなく、能力はあっても女性自身が指導的地位への進出を望まないという現実です。男性を押しのけて、女性割り当てを設け、それに見合う人材があるのでしょうか。また、自由競争と機会の均等が大前提のわが国で、果たして合意形成ができるのでしょうか。

実際、国会議員のクオータ制といっても、女性議員の比率を法的に定めている国は多くありません。白書で取り上げられたスウェーデン、ノルウェー、ドイツは、各政党が自主的に候補者名簿のクオータ制を導入しているのであり、韓国では立候補者の女性比率が定められています。アメリカは、政治分野でのクオータ制の導入はありません。民主的な憲法の下で、投票によって選ばれる議員の数を操作するのは容易でないことは明らかです。

特集は、経済界でのクオータ制に踏み切った国についても紹介しています。企業の取締役の女性比率を定めているのは、イスラエル、ノルウェー、スペイン、オランダ、アイスランド、フランスで、遵守しなかった場合の制裁を定めている国もあります。一方で、イギリスの経済誌『エコノミスト』は、比率の高いジェンダー・クオータ制(性別割り当て制)を厳重な期限付きで実施すれば、企業にとって不利益にもなりかねないと伝えています。


クオータ制は単なる問題回避/取締役会の女性割り当てでは差別の根本的解決はできない
(The Economist Mar 11th 2010)
 
 (前略)ミシガン大学の調査によれば、ノルウェー企業では取締役会から経験知の多くが失われている。新役員は若い女性が中間管理職から抜擢されるケースが多く、概して会社経営の経験が乏しい。他企業の役員との兼務も少ない。(中略)

 オスロに拠点を置く国際メディアグループ「シブステッド」は、3名の女性取締役全員を、主要市場の1つであるスウェーデンから起用した。同社の幹部役員は、「スウェーデンの人材がなかったら、わが社にとって取締役クオータ制はずっと困難なものになっていただろう」という。

 女性取締役を増やすべきだという際に論拠とされるのは、大抵の場合、多様性のある取締役会のほうが創造的かつ革新的で、「集団思考」に陥りにくく、経営幹部からの独立性を保ちやすいという主張である。取締役の女性比率が高い企業は業績も良いということは、数多くの調査結果も示している。しかし、学術的には、因果関係はほとんど立証されていないのだ。好調な企業は、取締役会の多様性といった社会的な課題に取り組む余裕もあるが、業績が悪ければ問題にふたをせざるを得ないという可能性もある。

 (中略)レネ・アダムス(クイーンズランド大学)とダニエル・フェレイラ(ロンドン大学スクール・オブ・エコノミクス)は女性取締役の影響に関する2008年の論文で、「アメリカ企業は、取締役の女性比率が比較的高い場合、株価が低迷すると責任者が解雇される傾向が強い」と分析しているが、「平均的に、取締役会の女性比率が高くなるほど、企業業績は悪化する」と結論付けている。(中略)                                            

「女性の取締役会入りを阻む最大の要因は、コアビジネスの実務経験がないことだ。」と経営者やヘッドハンターはいう。あまりに多くの女性がキャリアの早い段階で利潤追求の本流を離れ、経理、マーケティング、人事などの業務部門に移っていくのだ。(中略)企業が本当に必要としているのは、実戦で培われたビジネスの知恵だ。EPWN(欧州職業女性ネットワーク)によれば、代表権のある女性取締役の供給ラインはほとんど“カラッポ”と言ってよい。平取締役の女性比率は12%だが、代表取締役になるとわずか3%である。

 女性取締役の数を増やすための最良の方法とは、より多くの女性が、下積みの時代から、必要な経験を確実に積めるようにすることである。それはクオータ制よりも時間がかかるかもしれないが、有意義で効果的な方法とも思えるのである。


クオータ制とは、フェミニズム政策の中でも、機会均等の原則を破り性急に結果の平等を目指す、極めて急進的な措置です。また、このような特別扱いは、女性の能力に対する信頼を裏切ることにもなりかねません。知らぬ間に法制化が進められることのないよう十分な警戒が必要ですし、国民の間で根本的な議論を行っておくことが大切です。

参考資料: 平成23年度版男女共同参画白書

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東日本大震災から3ヶ月(2)

日頃の備え ~安全編~

マグニチュード9.0の巨大地震は震度7を記録し、津波は最大38メートルに達していたことがわかりました。日本列島がのった大陸プレートが東へ31メートル移動したという想定外の地震が、今後、余震や周辺の誘発地震がどのように推移するかは、専門家も予測できないと言っています。

例えば、東海・東南海地震が連動して起こると、地震と津波の規模は今回の比ではなく、被害は関東から九州に及ぶ可能性もあります。今や、日本全国どこで発生するかわからないと考えて、日頃の心構えを忘れないようにしましょう。自分の行動範囲で地震と津波に襲われた場合、身の安全をどう確保し、どこへ避難すればよいのか、シミュレーションを行っておくことが大切です。高台へ避難といっても、人の足で登れるルートは限られています。道順を確認し、安全な場所までの所要時間を確認しておく必要があります。

地域で定められた避難所(公民館や学校)は、揺れがおさまり津波警報も解除されてからの居場所です。地震や津波から身を守るための避難場所は、各自で考えておかなければなりません。

釜石市の釜石小学校では、群馬大学の片田敏孝教授(災害社会工学)の指導で、防災教育、とりわけ津波を想定した教育に取り組んでいました。そのお蔭で、当時は7割の児童がすでに下校していたにもかかわらず、各自が自主的に避難し、184人全員無事でした。片田教授は、津波から避難する場合の3原則を掲げ、小学校では各教科のさまざまな場面で津波を取り上げて、児童にイメージを刷り込んでいました。児童は教わったことをそのまま実行し、自分の身を守るだけでなく、周りの人々の誘導にも成功したのです。

<避難の3原則>

1.想定にとらわれるな

 自然災害に想定は通用しない。過去の例をもとに被害を想定して避難方法を確認しておくことは大切だが、実際に津波が発生した時には、その想定にとらわれず、状況に応じてできるだけ遠ざかる

2.最善を尽くせ
 災害時には、わずかな違いが生死を分ける。安全だと思っても、また、どんなに厳しい状況であったとしても、できる限りの手を尽くす。

3.率先し避難せよ
 まず、自分が逃げる。一人でも必死に逃げるとそれを見て周囲の人も殺気を感じて逃げ始める。

避難の前にまずは身の安全の確保ですが、これまでの“防災の常識”が覆される検証結果も出ています。

<防災の間違い>

×
寝室にはなるべく家具を置かないようにする。
天井や壁の倒壊から身を守るために、傍に、背の低い家具など、転倒の危険がない頑丈な家具を置く。

×緊急地震警報がなったら、テーブルや机の下へ。
建物倒壊の場合、テーブルや学校の机は潰れるので危険。ソファー・ベッドなど、頑丈な家具のすぐそばにうずくまるほうがよい。

×揺れが来たら玄関のドアを開けて避難路を確保。
開口部分は潰れやすいので、ドアを手で開けたまま立つのは危険。

×津波警報が出たら建物の3階以上へ。
建物の4階以上か標高40メートル以上の高台へ。海上の津波の高さが10m程度でも、陸上ではその波が斜面を駆け上がる。

釜石小学校の例にみるように、得られた情報をいざという時に生かすには問題意識を持ち続けることが大切です。日頃のイメージトレーニングが咄嗟の判断や行動を導いてくれるでしょう。


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東日本大震災から3ヶ月(1)

日頃の備え ~備蓄編~

大震災から3ヶ月。あの物流パニックもすっかりおさまり、被災した工場の再開のニュースも聞かれるようになりました。しかしこの間、食料の品不足、水や野菜の放射能汚染などを通して、私たちは、この飽食の生活がいかに脆いものかを思い知らされました。

震災と計画停電によって食糧生産と物流に支障が生じると、スーパーの棚から消える食品が続出。米、豆腐、牛乳、飲料水などは、開店間もなく品切れという事態が続きました。また、品不足に拍車をかけたのは消費者による必要以上の買い占めでした。

始まりは、地震当日、コンビニの食料品がほとんど売り切れてしまったことです。その空になったコンビニの棚を見て、人々の不安心理買い占め行動はさらに広がっていきました。コスト削減のために在庫を抑える最近の販売スタイルが裏目に出たと言われていますが、消費者も外食やコンビニ頼りの食事が増え、台所にお米や食材のストックがない家庭が増えています。コンビニ食が真っ先に棚から消えてしまったのは、“その日暮らし”の食生活が珍しくなくなっているからでしょう。

毎日の食事を家庭で手作りしようとすれば、常にさまざまな食材をそろえておく必要があります。乾物や塩物、保存の効く野菜などは自然とストックされますし、一月分くらいのお米の蓄えはあるでしょう。その生活ができていれば、店頭が一時品薄になったとしても、それほど慌てる必要はないはずです。震災の混乱は、食生活のあり方を見直すよい機会になったのではないでしょうか。

また、被災地でガス、水道、電気のインフラがストップした場合には、調理の要らない食糧が必要です。そのためには、パックご飯や缶詰などの非常食、飲料水などを常備しておくことも大切です。非常事態になってから買い漁る人が多ければそれだけ入手が難しくなり、混乱も大きくなるのです。

各自が非常食生活必需品を備蓄しておけば、他のところで災害が起きた時には、救援物資としてただちに供出することもできます。食品には賞味期限があるので、ストックの入れ替えを兼ねて積極的に被災地に送り、品不足がおさまるのを待ってから新しいものに買い換えるとよいでしょう。

非常事態を引き起こすのは災害や原発事故だけではありません。新型ウィルスの大流行が起これば外出禁止令などでインフラや物流がストップする可能性は十分にあると言われています。日頃から、1週間くらいは家にあるもので命をつなげるくらいの余裕をもって生活したいものです。

そして、もう一つ、体の中に蓄えておくべきものがあります。それは、ヨウ素です。甲状腺にとりこまれた放射性ヨウ素が甲状腺がんを引き起こすと言われていますが、原発事故などで被曝する前に甲状腺が昆布やワカメなど海藻類のヨウ素で満たされていれば、放射性ヨウ素をブロックすることができるのです。食品から一度に摂取できるヨウ素の量は限られているので、日頃から少しずつ蓄えておくことが大切です。

また、長崎では、聖フランシスコ病院の秋月辰一郎博士が被爆直後に患者に味噌玄米を食べさせて原爆症を防いだことが報告されています。チェルノブイリ原発事故の際は、秋月博士の論文が注目され、日本から大量に味噌が輸入されたそうです。

つまり、昆布の出汁やワカメの入った味噌汁と玄米おにぎりを常食しておけば、そのまま原発事故への備えになるのです。日本古来の食の力を見直し、毎日の食生活を大切にしたいものです。

大切なのは平時の備えです。それぞれの家庭ができる範囲で備蓄を行うことがすなわち国全体の備えになり、いざという時に社会的混乱を防ぐのです。


参考: 「玄米と味噌で体の放射能を取り除く方法」


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